【白川静漢字暦】漢字って愉しい! 

はんこ屋さんの文字解説

来年のカレンダーをゲット![白川静漢字暦]思わず衝動買いでした。
週めくりのカレンダーで、あの白川静先生が、甲骨文字を一文字ずつ解説している内容です。
単純な作りで大きな甲骨文字と数行の解説が書かれているだけなんですが、この甲骨文を見ているだけで、ゾクゾク、ワクワクするんですよねぇー。すごい!
白川先生の解説を読んでいると、はるか3000年とかそんな昔の人々の日常とかにタイムスリップをしてしまうような計り知れない不思議な感覚になり、どんどん引き込まれてしまいます。

例えば「料」はかる、という文字ですが、甲骨文で見ると↓こんな感じ。

米を柄杓(ひしゃく)で、はかっている象形から出来た文字です。
柄杓だけだと「斗」となるんですが、解説には、北斗七星は「その七つの星の配置が斗の器形に似ていることから名をえている」なんていう云われが紐解かれていくんです。

文字を分解して、甲骨文までさかのぼり、カタチや意味を理解していく。すると、同じ文字を使う別の文字の意味がどんどん繋がって理解できるようになり、また世界が広がっていきます。それはもう考古学者が遺跡を発掘しているような高揚感?!ワクワクが止まらなくなります。


ハンコを彫る時は、先生の辞書【字統】や【常用字解】などをめくり、篆書の字源を知るようにしています。それまでは篆書の辞書で彫刻する文字を調べ、辞書に載っているカタチをただ写し取っていました。間違った文字を選ばないよう正確さを大事にすることは重要ではあるんですが、その複雑な形を理解し、意味を知ったうえでハンコの文字として筆耕することは、まったく違う意味があると感じています。

ちょっと大げさかもしれませんが、文字は生きている。そんな神秘的なパワーを感じながら印章彫刻の仕事をさせていただいています。もとより大切な名前を彫らせていただく仕事なので、想いを込めて彫らせていただいておりますが、それに加え、悠久の歴史の中で生活をしてきた人々の想いみたいなものを1文字1文字の彫刻の中に重ねて吹き込んでいけたらと思っています。

※想いを込めた印章に【彫霊(ほりだま)】と名付けた由縁なんですが・・・その話は別の機会に。

来年からは、毎週この週めくりカレンダーを愉しみながら、さらに精進していきたいと思います。

 

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