一生ものだからこそ。1級技能士が「オリジナル印影」に込める本物の美しさ

七つの想(こころ)

印章へのこだわり/オリジナル印影をつくる

この世界で唯一無二の印としての存在感。
本人であることを証明する確固たるオリジナリティ。

風潮へ安易に融合せずに、本来の機能を重要視

はんこ1番ドットコム/スタンプナメカワでは、卓越した職人による「手書き」「手彫り」「手仕上げ」で唯一無二の印章を送り出すことを重視して仕事をしています。現在、印章業界は機械彫りが主流。この状況が意味するのは、印章における重要な文字の勉強をしていない人材がパソコンを操り、ワープロ感覚で漢字変換とフォント選択後、彫刻機にかける一連の流れを、あたかもプリンターで印字するような感覚で製作を行ないます。結果、同じ名前であれば、同様の印章が世の中に複数現れてしまう。例えば、鈴木さんというお客様から2本の印章を注文いただいた場合、私たちは同じ書体でも文字に変化、修正をかけて違うものをつくります。「この世に二つとない、その人を証明する」ことに、印章の意味・意義があると確信しているからです。

伝統を継承するものとして、守るべき姿勢

文字にアレンジ、オリジナリティを加えるにあたっては、いうまでもなく、いい加減に曲げたり、線をくっつけたりすると、違う読み方や、有り得ない文字になってしまいます。文字の形だけがオリジナルというのは言語道断。きちんと文字の成り立ち、本来の意味を理解していなければ、適切なアレンジはできないのです。プロとして、間違いのない正式な文字でありつつ、なおかつそのお客様のご要望や雰囲気に合った個性を際立たせられるよう、私たちは取り組んでいます。何千年も使われている篆書体は、時代によって違いも生じているため、技術と共に、文字への考察力や知識を併せ持つことで、初めて正しいアレンジができるんです。

鉄筆を操るプロが感じた、現状への憂い

印章は、筆で書くのと同じことを、彫刻刀で行なっています。ですから、筆の流れとして有り得ない線づかいや、力の入れ方にならないよう注意を払わなければいけません。「鉄筆(てっぴつ)」と表現されるが如く、書くことと彫ることは同じ事柄。我が身の技術として身につけるには、やはり、実務としての経験・良い手本を見たものの豊富さ・勉強してきた積み重ねが、非常に重要なポイントとなります。基礎を学ばず基準を満たさないオリジナリティは、ハンコであってハンコでない別の代物。「その人を表す世界でひとつだけの印影」という印章文化本来の目的がおざなりにされてしまっては、本末転倒だと思うのです。

印章が社会で貢献し続けるために、続けていくこと

「システムとして必要だから」のみの考えで、安くて早い印章を買い求め、文字自体が成立していなくてもかまわないのならば、それこそ印章は、この世に存在しなくても良いことになってしまいます。私を含め、誇りを持って生業(なりわい)とする者にとって、それはとても悲しいこと。先人たちの想いを継承していかないと、印章が必要とされなくなる時代が来てしまう。そんな風に危惧をもっています。コロナ禍以降、その予測は現実のものとなり行政発行文書での認印廃止が急速に進み、出来合い認印需要は激減しました。
失われた30年と言われたデフレ社会の中で、安さだけを追求し100円で認印を販売する時代が続き、ネット通販や激安FC店では機械彫りのみの激安印章が全盛期を極めていきました。当然その価格体の[印章]には、唯一無二の認証を保証するオリジナリティはなく、機械彫りっぱなしの粗悪品印章を大量に世に送り出し、印章の信頼性を貶めていったのです。私たち業界人にも、時代の潮流に身を任せ「安さ・速さ」を追求した傾向は否めず、反省すべきところは多かったと思います。
だからこそ、プロである私たちは原点に立ち返りきちんとした印章をつくり続け、社会の役に立ち続けなければ、という使命感をひしひしと感じています。

印章作家 滑川裕 七つの想(こころ)

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